ドキュメンテーション

ビデオエフェクトの紹介

この章の理解は、マルチプルFXとFXスタックの概念に関して熟知していることが必要になります。この章を読む前に、まずは、これまでの章を読むことをお勧めします。
ここでは、エフェクトの機能とFXスタックについてのみ言及しあす。エフェクトのオプション(パラメータ)については、第11課から第18課に渡って説明しています。

この章では、天気予報のオープニングの短いアニメーションを作ります。これには、3つのビデオを利用します:最初は木立、次に夕日、そして雲の動画です。



* まずビデオシークエンスをプロジェクトに入力します。必要があれば、リサイズします(ビデオ入力パネルを使えば、接続したカメラから直接画像を入力できます)。
フィールド付きのビデオを入力する場合は、フィールド付きのプロジェクトを作成してください。

* 下の図の様にビデオをタイムライン上に展開し、サウンドトラックを入力します。ここでは、カラーグループを設定し見やすくしてあります。



それぞれがオーバーラップした3つのレイヤーができます(オーバーラップしているのは赤で示した部分)。これにより、トランジションのエフェクトを利用することが可能になります。上の例では、トランジションのエフェクトは最初のアニメレイヤーに適用されています。タイプラインをズームすることにより、全体を見渡せるようになっています。



* 天気予報のオープニングに個性的なタッチをつけるには様々な方法があります:
下の例では、ブラー > 放射線状ぼかしのエフェクトが使用されています。これで、アニメのシークエンスが徐々に画面に現れます。



* また、木立の前を飛んでいる蝶を配置して、その軌跡を描くこともできます。これは第14課で説明します:

ここでは、蝶のアニメブラシ(TVPaint Animation の CD-Romにあり)をモーション > キーフレーマーのエフェクトとそれぞれの蝶に既に録画されたパスを使います。
もちろん、蝶2匹は新しいレイヤーに追加します:こうすることで木立のアニメレイヤーはそのままにできます。新しいレイヤーを使うことで蝶が出現する時をずらすことができます:タイプラインの時間軸に沿ってレイヤー全体を移動します。




* 次に、夕日のアニメレイヤーで作業します:天気予報ということで海の波を表現してみます。これには、特殊効果 > 波フィルタを使います。これは第13課で説明します。2つの石が水面に落ちてできた波紋を表現しています。



* 次に、夕日から雲のアニメレイヤーへの移り変わりをつけます。下の例は、トランジション > クラシックエフェクトに円オプションをつけたものです。結果とタイムラインは以下のようになります:



タイムラインの左上の虫眼鏡アイコンを使い、表示方法を変えることができます(第4課参照)。また、ブックマークを使えば、タイムライン上を簡単に移動できます(第4課参照)。

* ここで、虹のエフェクトを雲のある空に追加しましょう。

以下の手順で行います:
* 新規レイヤーを作成します(雲のアニメーションは、そのままです)。
* 左図の様に、虹のグラデーションのついた長方形を描きます。


次に、以下のエフェクトをマルチプルFXで設定します(最初から最後まで順番に行います)。
* カラー > 色調整 : 赤が虹の上で紫が下に来るようにします。
* ブラー > 放射線状ぼかし : このエフェクトをかけると長方形が弧を描きます。放射状ぼかしの中心は、長方形からかなり離れた位置に設定する必要があります(画面からはみ出します)。
* ブラー > ガウスぼかし :このエフェクトは色に少しぼかします。
* トランジション > フェード :虹をフェードインしながら登場させます。

このような結果になります:




* レンダリング > シンプルテキストのエフェクトを使えば、シークエンスのタイトルを入力できます。

ここで、レンダリング > シンプルテキストのエフェクトを使います。

このエフェクトの便利なところは、色、ボールド、フォント、影などの設定を後で再利用することができることです(例えば、テキストを翻訳する必要がある場合など)。